軽度高気圧濃縮酸素ルーム

当院では軽度高気圧濃縮酸素ルームを完備しています

当院では、院内に「軽度高気圧濃縮酸素ルーム」を完備しております。

中には、歯医者になぜ酸素ルームが? と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、歯を失う最大の原因である歯周病の原因となる歯周病菌は、嫌気性であり「酸素」が最も苦手です。レーザー治療ですら残ってしまうような細胞の奥深くに潜む歯周病菌に対してでも、高気圧酸素治療により、歯周病菌の唯一の弱点である酸素を体中の隅々まで送り込むことで、隠れている歯周病菌を攻撃し殺菌する効果が期待できるのです。

「歯磨きの際、歯茎から血が出る」「歯ぐきが赤くはれている」などの症状が出ましたら、なるべく早めにご相談ください。 

軽度高気圧濃縮酸素ルーム「O2デンタプロ」

当院では、日本気圧バルク工業(株)社による、「O2デンタPRO」というタイプの軽度高気圧濃縮酸素ルームを完備しています。

日本気圧バルク工業(株)社は、神戸大学と歯周病と高気圧酸素ルームの共同研究なども行っており、軽度高気圧濃縮酸素ルームなどにおいて信頼ある国内メーカーです。

歯科治療における「酸素」の効果 

歯周病は、日本国内において、成人が歯を失う原因のトップとなっているばかりではなく、脳梗塞や心筋梗塞、呼吸器系疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎、早産など、さまざまな全身疾患と密接な関りがあることから、近年では歯科以外の医療分野においても大変注目されています。

歯周病はメンテナンスを怠るとすぐに再発してしまう完治の難しい病気と言われています。

根本的に歯周病を治すには歯周病の原因菌を徹底除去する必要があるのですが、歯周病菌は非常に広い範囲に、かつ細胞の奥深くまで侵入しているため、従来までの歯石とりやブラッシングを中心とした治療では、その除去レベルにどうしても限界がありました。

そこで今注目され始めているのが、高気圧酸素を用いた歯周病治療です。歯周病菌は酸素を嫌う細菌(嫌気性細菌)であるため、その唯一の弱点である酸素を毛細血管を通して送り込むことで、ブラッシングや外科的治療では除去しきれないような細胞内に潜んでいる歯周病菌まで殺菌します。

さらに高気圧酸素療法は、インプラント手術や、外科手術を行った後の回復促進などにも活用されています。

高気圧酸素の「力」とは?

「溶存酸素」の浸透圧を高め細胞を活性化?

現代人は社会のストレスや大気汚染による酸素不足が原因で、病気や老化などの様々な悩みをかかえるようになりました。

人間の身体には約60兆個の細胞があり、そのすべてが酸素を必要としています。

高気圧酸素ルームは「溶解型酸素」の浸透圧を高める酸素セラピーにより、身体の各機能を整え、健康増進が期待できます。

そもそも「溶存酸素」とは? ~ 溶存酸素と結合酸素

「結合酸素」とは通常の呼吸で得られる酸素で、血液中のヘモグロビンに依存して融合し、血管に運ばれています。そのためヘモグロビンの大きさは細い毛細血管を通り抜けるには限られてしまいます。

しかし「溶存酸素」はヘモグロビンと融合していない酸素で、しかもヘモグロビンより小さいため、毛細血管を通りやすく体内により多くの酸素を送り込むことができます。

高気圧酸素ルームの実験データは?

高気圧酸素 (1.3 気圧)の環境に滞在すると下記のような効果が得られます。※日本気圧バルク工業(株)より

・実施期間 ・・・ 2016年6月~8月
・実施場所 ・・・ 京都大学大学院人間・環境学研究科実験室 (森谷敏夫研究室)
・使用設備 ・・・ 日本気圧バルク工業(株) 高気圧ルーム ブレッドタイプA-L
・実験監修 ・・・ 森谷敏夫 (京都大学名誉教授)石原昭彦 (京都大学教授)

結合酸素量の増大

心拍数 脈拍数の減少

結合酸素

血液の中では、赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合し、これを結合酸素といいます。通常の空気ではヘモグロビンの98%~99%が既に酸素と結合(酸素飽和度)しており、酸素をその後いくら吸入しても、酸素飽和度は100%を頭打ちに増加しません。

溶存酸素

血液の液体成分である血漿自体に溶け込む酸素を、溶存酸素といいます。溶存酸素は酸素の圧力(さきほどの酸素分圧)に比例して溶け込みますので、酸素分圧が1.3倍になれば、溶存酸素も1.3倍になります。しかしながら、溶存酸素は結合酸素に比べ少量で、大気圧では溶存酸素0.31 vol%、結合酸素20.74 vol% (vol%=mL/dL)です。

※ポイント

赤血球中のヘモグロビンが酸素 (これを結合酸素といいます) を結びつけて全身に運びます。高気圧酸素の環境では、結合酸素が増大します。また、全身を流れる酸素が増大するこ とによって、安静時の心拍 (脈拍) 数が減少します。

血液中の結合酸素量

血液の大きな役割のひとつが、肺から酸素を受け取って身体中へと運び、身体中からは二酸化炭素を受け取ってこれを肺に戻すことです。 酸素が血液中に溶ける量はその気体の圧力(分圧)に比例します。気体の溶けやすさは気体ごとに違います。酸素は1mmHg につき血液100mlで0.3ml溶けます。これは二酸化炭素の溶けやすさに比べて1/20にしか過ぎません。

ヘモグロビンは1分子当たり4つの酸素分子を結合する能力があります。ヘモグロビン1g には酸素 1.39mlが結合できます。血液100mlには約15gのヘモグロビンが存在していますので、血液 100mlで20.4mlの酸素がヘモグロビンに含まれることになります。

軽度高気圧濃縮酸素ルームのメリット

歯周病菌の殺菌

嫌気性細菌である歯周病菌に対し、血中溶解酸素濃度上昇による歯周病菌殺菌効果が期待できます。

歯周病菌の増殖抑制

嫌気性細菌である歯周病菌に対する血中溶解酸素濃度上昇による歯周病菌増殖抑制効果が期待できます。

インプラントの定着

血中溶解酸素濃度上昇による、細胞の活性化と、インプラントのあごの骨への早期定着効果が期待できます。

インプラントの回復

血中溶解酸素濃度上昇による、細胞の活性化と、インプラント手術後の早期回復効果が期待できます。

健康増進効果

酸素を必要とする約60兆個の細胞に対し、血中溶解酸素濃度上昇により、健康増進が期待できます。

ケガなどの回復促進

患部の細胞に多くの酸素を供給することで新陳代謝を高め、様々なケガの治療に用いられています。